ロックダウンへの抗議から考える医療・看護問題
やっとMix Method システマティックレビューの一段階が終わって、少し一息ついているなすこんにゃくです。みなさんいかがお過ごしでしょうか?
只今、メルボルンはプロテスター(コロナウィルスによるロックダウンを反対する人達)でここ数日大変なことになっております。
今年に入って厳しいロックダウンはこれで3回目、去年からですと6回目になるのですが、
- 外出:1世帯1人、1日1回で買い物、受診、など必要最低限のみ。5km範囲内。
- 運動:1世帯で1日2時間。(もちろん友人・ご近所さんと散歩してはダメ)
- 食料品や薬品など(生活必需品)を扱うお店だけ営業できるが、それ以外は閉める
- 21時以降外出禁止
- 公園・ジムなど閉鎖
などなど、こんな暮らしを今回のロックダウンで約2か月経過しようとしているところです。
政府は、コロナウィルスとの共存へと目標を変更し、ビクトリア州の80%が1回目のワクチン接種を終えたら規制を緩めると宣言しました。実際、10kmまで外出範囲を伸ばし、公園・ピクニックにも行けるようになりました。
けれども、食品・医薬品以外のお店や保育園などは閉鎖されたままで、仕事を失った方などへの補助金も去年までは額が大きかったのですが、今年の3月からは減額になったままです。
19日は住民たちによる抗議(ロックダウン反対運動)。約2000人の警察官が都市を封鎖しました。
20・21日は建設労働者の方たちの激しい抗議です。
建設労働者の間でコロナケースが発生していることを踏まえ、24日までに1回目のワクチンを接種していない者は就労はできないと、政府から御布令が出ました。
20日に抗議が起きたので、政府は「2週間特定のエリアで働く建設労働者は就業禁止」が発令されました。
そして21日に起きたのが以下です。
2週間の間にワクチン接種ができると見通していますが、実際予約は取りずらいです。2回目のワクチンを受けるのに現在、約7週間待ちます。
モデルナワクチンも最近になってようやく入荷してきました。
また、建設労働者の中にはワクチン接種に躊躇しているというデータもあります。
お酒を飲んで物を壊したり、人を傷つけたりすることは決してよくありません。
しかし、抗議をしている人たちに耳を傾けることも必要だと思いました。
「躊躇している」ということは、「不安」が潜んでいます。
「不安」は時に「怒り」も引き起こします
私も通常は3年ほどかけて作られるワクチンが、6ヶ月でできたものを打つのは大変不安でした。
少なくとも実際に亡くなった方もいます(因果関係ははっきりしませんが)。そういったデータも全て含めて、改良して、安全なものに生まれ変わっていくのでしょうが。。。
オーストラリアは日本に比べて、予防医学・看護が手薄いと感じることが多々あります。
いろんな情報があり、確かな情報を手に入るのが難しい現在だからこそ、寄り添って不安な要因を共有し、誤った解釈を訂正することや、「ワクチン接種を拒否する」という権利を尊重しつつ、その先にある思い描く生活目標(どのようにウィルスと共に生活していくことを望むのか)などをじっくりと話合っていく必要があるのだと感じました。
こちらではその役目はGP(総合診療医)ですが、経験上、色々なお医者様がいらっしゃいます。自分から聞かないと何も情報やパンフレットなんてもらえません。お仕事をされている方はいつ、GPに会うことができるのでしょうか?
この社会情勢、オーストラリアの医療・看護の問題が根底にある気がします。
パブリックヘルス・予防医学・看護の難しさを感じる今日この頃です。
読んでくださり、ありがとうございます!