日本とオーストラリアの看護の違い
メルボルンはだいぶ涼しくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
仕事のストレスが溜まっております、なすこんにゃくです。
さて、本日は「ザ・愚痴」です。
現在の病院に働き始めて早2ヶ月。
未だ、正式に社員にはなっておりませんので(3ケ月間のおためし雇用といったところでしょうか)、心つつましく、影武者のように働いております。
といいましても、もうすでに5・6月の勤務希望を出せと言われているんですが・・(早くないですか?!)
働き始めの頃は、不満がつきもので、それも3年をすぎれば「仕方ないのかな」精神が培われ、見えていたものが見えなくなっていくものでございます。
なすこんにゃくも経験済です。
しかしながら、
「これはひどいよ~」
ということが多々あり、イライラが募る毎日です。
オーストラリアで働く=効率的な仕事で看護師としての専門性が生かした仕事ができる!!
なーんて漠然とした考えで夢が膨らみ、キラキラしたものを思い描いていたのですが、現実は全く異なっておりました。
同時に日本の看護・医療/病院体制の素晴らしさを感じる機会にもなっております。
以下にざっくりと違いと挙げてみました。
※これはあくまでも私の数か月の経験に基づいています。全ての病院が当てはまるとは限りませんので、ご注意ください※
オーストラリア(プライベート病院)で正看護師として働く
良いなと思った所
- お給料が日本よりも良いが、物価が高く、レートも違い、ボーナスもない為、実際の所はお給料がいいのかわからない(笑)
- 超過勤務が最高で30分~1時間。自分のシフトで終わらなかったことを次のシフトに送っても基本、怒られない。(皆している)
- わからないことをわからないと言っても大丈夫。と言うより、わかりませんといわなければいけない。
- 勤務の希望を無制限に出せる(プライベート病院だからでしょうか)夜勤オンリーの看護師や週1日だけ働いている人など様々
- 勤務始まる30分前にくると嫌な顔されるので、ギリギリに出勤しても大丈夫。といっても、直前にならないと受け持ちの部屋が決まらない。
改善してほしいこと
- ケアの一貫性がない(致命的です)(例:一日一回体重測らないといけない患者さんがいるのに、いつの間にか終了している。)
- 日本では看護師1人に対して、患者さん7人以上受け持っていたが、オーストラリアでは5人の患者さん受け持つ。それなのに、業務が終わらない・休憩が全く取れない。➡理由としては、外回りの看護師がいるわけでもなく、完全に看護師1人が5人の患者さんのすべてを看るからだと考える。
- 患者さんがいままで薬を自分で管理していたのにも関わらず、患者さんが入院した時点で全て看護師管理となる。これは、治療によっては内服薬が変更になるので仕方のないことだとは思うのだか、自宅退院近い高齢者の患者さんにも内服自己管理の練習を促すことなく、退院時にはドーンと薬を箱ごと・瓶ごとお返しする。残薬の照会をして内服自己管理ができるかなんてアセスメントしない。
- 抗生剤のキットがない(もうすでに薬と生食が袋にセットされていて、割ればいいだけのもの)。すべて看護師が静注のIVでいくのか点滴でやるのか判断する。結構、手間がかかると感じることがある「抗生剤ごときでなんでこんなに時間がかかるんか・・って」
- どんだけ忙しくても、自分で何とかしないといけない。体位交換とかお願いしたら他のナースは一瞬手伝ってくれるが、すぐに消える。病棟の物品がなくて困っていても、一緒に探してくれない。。。➡チームワークっつうものを感じない・・
- 術式や病態により、記入しなければならないアセスメント用紙があるのだが、それがあることも誰も教えてくれない。自分で気づかないといけない。➡新人教育・中途雇用者の教育が中途半端(プライベート病院だからかなあ?)
- 5に関連することだが、残尿を確認するエコーが必要で、病棟中探してもなく、オードリーという「物品などを持ってきてくれる何でも屋さん」に電話しても持ってきてくれない。内服薬やら注射薬やらでてんてこ舞いだったか、それでもなんとかエコーを探し回ること3時間。まわりのスタッフにも聞いて回るが、「知らない」で終わる。結局、自分で各病棟を周り、自分の病棟専用のエコーを手に入れて(返してもらった)、残尿を計測し始めた。が、自分がエコーを手に入れたとたん、周りのナースが借りに来て、気が付いたらまた紛失。病棟になぜかない➡さすがの私もキレましたよ。ずっと「Ridiculous!!」って言いながら歩き回ってました!
- 病棟の内服薬・注射薬が足りない。病棟に訪問に来た薬剤師に聞くも、自分の役割ではないと、去っていく。指定された時間に薬剤師が薬持ってくると言っていたが、来ない➡自分で薬局まで取りに行く。
- 「物品などを持ってきてくれる何でも屋さん」オードリーが忙しいと思ったら、倉庫で隠れるように携帯いじっている。
- 保清ケアは患者さんが主張しないと後回しになる確率が大。5日間体を拭きますかと聞きにさえ来てくれないと言われる。
内服薬や注射薬に時間がかかるのは仕方がないとしても、物品管理やオードリーさんや薬剤師さん、自分の仕事はきちっとして下さいよって心底思う・・。
パートナーがオーストラリアは面倒くさがり屋(lazy)の人が多いよ。なぜそういう人が多いのかって言う本も出版されたぐらいだよ。っと言っていた。マジかよ・・。
日本で働いていた時は、確かに苦手な人もいたし、超勤3時間以上なんて当たり前だった。でも、皆「あ・うん」の呼吸で言わなくても、信念や大事にしている所が同じでひっじょ~にやりやすかった。本当に、患者さん第一「パーソンセンタード・ケア」だったなあっと・・。
日本人の看護師さんは自分の国に帰る人が多いって、こないだスタッフが言っていた。だから、日本の看護ってすごくて働きやすいんだなって思っているんだよっと話していた。
今なら何となく、なんでその人達が帰ったのかわかるなあ~。
実家の親が日本に帰っておいで~と手招きしていたが、超過勤務に耐えられる自信が・・・
日本の医療者の皆さん、本当にすごいですよ。チームワークもあるし!
「ザ・ホームシック」です。